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国際税務2026.08.26 「特定多国籍企業グループ等報告事項等」が免除される場合

前回前々回と、特定多国籍企業グループ等報告事項等の提供制度の概要、記載事項等について整理していきました。今回は、提出が免除される条件について確認していきたいと思います。

 

1.提出が免除される場合(法第150条の3第3項、施行令212条)


 

特定多国籍企業グループ等の親会社の所在地国の税務当局が、特定多国籍、企業グループ等報告事項等に相当する情報の提供を日本に対して行うことができると認められる一定の場合には、内国法人の提供義務が免除されます。

以下の2要件いずれも満たす場合に免除されます。

 

・外国の税務当局への情報提供(要件①)
各対象会計年度終了の日の翌日から1年3か月以内(一定の場合は1年6か月以内)に、最終親会社等(または指定提供会社等)の所在地国の税務当局に対して、当該対象会計年度に係る「特定多国籍企業グループ等報告事項等に相当する事項」が提供されていること。
※日本の内国法人が本来提供すべき情報の全てが含まれている必要があり

 

・適格当局間合意の存在(要件②)
日本の財務大臣と、最終親会社等(または指定提供会社等)の所在地国の権限ある税務当局との間に、「適格当局間合意」があること
※適格当局間合意とは、報告事項等に相当する情報を相互に提供するための、提供時期や方法等に関する合意のこと(つまり租税条約締結国であればこの要件は満たすはずです。)

 

 

2.「最終親会社等届出事項」の提出義務(法150条の3第4項)


 

上記の「特定多国籍企業グループ等報告事項等」の提出義務が免除される場合の法人は、「最終親会社等届出事項」を当該各対象会計年度終了の日の翌日から1年3月以内に,電子情報処理組織を使用する方法(e―Tax)により,当該内国法人の納税地の所轄税務署長に提供する必要があります。

 

特定多国籍企業グループに係る最終親会社等届出事項 兼最終親会社等届出事項・国別報告事項・事業概況報告事項の 提供義務者が複数ある場合における代表提供者に係る事項等の提供
(国税庁より)

 

記載内容は以下の5点となります。
①名称
②所在地国
③本店等の所在地(本店若しくは主たる事務所の所在地、又はその事業が管理され、かつ、支配されている場所の所在地)
④法人番号
⑤代表者の氏名
※④がない場合は不要

 

たとえば、最終親会社側の国で「特定多国籍企業グループ等報告事項等」に記載すべき内容を記載しての親会社の税務当局へ提出していれば日本は提出不要、ただし「最終親会社等届出事項」のみ提出が必要ということになります。

 

 

いかがでしたでしょうか。
グローバル・ミニマム課税の導入に伴い、多国籍企業グループには従来以上に詳細な情報提供が求められるようになりました。
特に外資系日本子会社については、「海外親会社が提出しているから日本では不要」と思い込みやすいため、免除要件や届出義務の有無を事前に確認しておくことが重要です。

 

 

あすか税理士法人

【スタッフ】渋谷優果