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国内税務2024.04.10 先端設備導入計画~開始から1年経過の現在~

令和5年4月1日より先端設備等導入計画の新制度が開始されて間もなく1年が経過しました。

まだ、新制度の認識をされていない企業様もあるかと思います。
お得な制度となっておりますので、参考にしていただけたら幸いです。
今回は制度の内容のうち、特に税制優遇面を中心に改めて確認したいと思います。

 

1.先端設備導入計画とは


 

・「先端設備等導入計画」は、中小企業が、設備投資を通じて労働生産性の向上を実現するための計画。(労働生産性が年平均3%以上向上することが見込まれることが要件)

・設備の導入先となる市区町村が「導入促進基本計画」を策定している場合に、当該市区町村から中
小企業が認定を受けることが可能。認定を受けた場合は次の支援措置を活用することができる。

○償却資産の固定資産税の軽減措置を支援

○資金繰りの支援(信用保証)

(認定を受けている自治体はこちら(令和6年3月27日現在))

 

2.固定資産税の減免内容


 

令和6年4月~令和7年3月末までに設備を取得した場合、3年又は4年間、償却資産に課税される固定資産税の減免を受けることができます。
先端設備導入計画の認定を受け、固定資産税の減免を受けるためには
 

労働生産性が年平均3%以上向上
(計画期間3年(9%)~5年(15%))

労働生産性の計算方法
(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量※
※労働者数 又は 労働者数×1人当たり年間就業時間
 

投資利益率が5%以上向上
(設備導入の翌事業年度から3事業年度で設備投資により 変動する売上高・営業利益の平均額を
設備投資額の割合により算出)
法人全体での投資効果ではなく、事業所ごとや工場ごとに行ったその設備に基づく数値を算定
(既存設備の老朽化による設備の入替や売上増加のために行う設備投資による計画ごとに投資利益率を算定)

投資利益率の計算方法
(営業利益+減価償却費*1)の増加額*2÷設備投資額*3

*1 会計上の減価償却費
*2 設備の取得等をする翌年度以降3年度の平均額
*3 設備の取得等をする年度におけるその取得等をする設備の取得価額の合計額
 
この2点の要件を満たす計画を認定経営革新等支援機関の確認を受け、市町村へ申請・認定されると

→3年間固定資産税が1/2減額を受けることができ、

また、従業員に賃金を1.5%以上向上させる旨を表明した場合

→5年間固定資産税が2/3減免を受けることができます

 

《対象資産》

機械装置   :160万円以上
工具     : 30万円以上
器具備品   : 30万円以上
建物附属設備 : 60万円以上 (家屋と一体となるものは対象外)


 

《減免額》

取得価額5,000,000円 耐用年数8年の

設備投資をした場合の固定資産税の減免額は

原則:約70,000円

特例:約110,000円

となります。

 

《注意点》

計画の認定を受けることができる中小企業者と税支援対象となる中小事業者等の基準が違うので注意が必要です。
中小企業者(先端設備等導入計画の認定を受けることができる範囲)

※その他政令により指定業種あり                中小企業庁HPより

 

中小事業者等(税制支援を受けることができる事業者)
・資本金もしくは出資金の額が1億円以下の法人
・資本金もしくは出資金を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人以下の法人
・常時使用する従業員数が1,000人以下の個人
ただし、次の法人は、たとえ資本金が1億円以下でも中小事業者等とはなりません。
①同一の大規模法人(資本金もしくは出資金の額が1億円超の法人又は資本金もしくは出資金を有し
ない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人、資本金又は出資金の額が5億円以上で
ある法人との間に当該法人による完全支配関係がある法人等)から2分の1以上の出資を受ける法

②2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人

また、自治体により対象となる業種が異なりますのでご確認ください。

 

 

3.申請の流れ


 

(中小事業者等)

①事業計画、労働生産性の算定→先端設備導入計画に係る認定申請書を策定

 

②設備投資により得ることができる投資利益率の算定

→先端設備等に係る投資計画に関する確認書依頼書・(別紙)基準への適合状況

 

③全従業員へ賃上げをすることの表明したことを従業員代表に署名してもらう

→従業員へ賃上げ方針を表明したことを証する書面(特例を受ける場合)

 

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認定経営革新等支援機関へ確認依頼


(認定経営革新等支援機関)

④認定経営革新等支援機関による事前確認書
⑤認定経営革新等支援機関が発行する投資計画に関する確認書
 

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確認完了後、①②④⑤(特例を受ける場合、③を追加※)の書類を市区町村へ提出(自治体によって別途提出書類を定めている場合がございますので確認が必要です。)
特例は最初に行う先端設備等導入計画の申請時でのみしか受ける事ができません。
 

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市区町村より認定通知
 

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先端設備等取得

 

 

4.申請期限


 

設備の取得(試運転等検収が完了した時点等)までに認定される必要があります。

認定日以前に設備を取得した場合、対象となりませんのでご注意ください。
(申請から認定まで概ね14日ほど日数を要します。)
 

5.結びに


 

自治体によっては先端設備導入計画の認定を受けることにより、補助金などの支援をしている自治体もございますのでご確認ください。

 

改正前の先端設備導入計画では工業会の証明書が必要でしたが、改正後の先端設備導入計画では工業会の証明書は不要となりました。まだ、工業会の証明書が必要と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 

この制度は2025年(令和7年)3月までの制度となっており、延長されるかは現状不明ですが、一度認定を受けると最長で令和11年(2029年)度分のまでの固定資産税が減免となりますので、設備導入の際には検討してみてはいかがでしょうか?

                      あすか税理士法人 白川達也