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会計制度2018.04.02 法人税における所得拡大税制について

前回に続いて、平成29年度税制改正で一部改正のあった所得拡大税制について、まとめてみたいと思います。

 

1.中小企業者等以外の場合

中小企業者等以外の企業が、所得拡大税制を適用する場合、以下の3つの要件を満たす必要があります。

 

①雇用者給与等支給額が、基準雇用者給与等支給額(*1)よりも5%(*2)以上増加していること

②雇用者給与等支給額が、前年度の雇用者給与等支給額以上であること

③平均給与等支給額(*3)が、前事業年度に比べて2%以上増加していること

(*1)平成25年4月1日以降開始する各事業年度のうち、最も古い事業年度開始の日の選是日を含む事業年度(3月決算であれば、平成25年3月期となる)の雇用者給与等支給額をいいます。

(*2)平成30年3月期に適用される割合です。(平成29年3月期は4%でした。)

(*3)雇用者1人当たりの月平均給与額のことであり、継続雇用者に対する給与等支給額を、継続雇用者の各月ごとの延べ人数で割った金額をいいます。

 

下線部分が、平成29年度税制改正での改正部分です。(従前は、前事業年度を超えていれば、制度の適用がありました。)

上記の要件を満たした場合、以下の算式で計算された税額控除の適用があります。

(雇用者給与等支給額-基準雇用者給与等支給額)×10%+(雇用者給与等支給額-前期雇用者給与等支給額)×2%

控除限度額:法人税額の10%

 

下線部分が、平成29年度税制改正での改正部分です。従前はこの部分がありませんでしたので、給与をたくさん支給した企業にはより手厚い税制の恩典が認められていることが分かりますね。

 

2.中小企業者等の場合

中小企業者等に該当する企業が、所得拡大税制を適用する場合、以下の3つの要件を満たす必要があります。

 

①雇用者給与等支給額が、基準雇用者給与等支給額(*1)よりも3%(*2)以上増加していること

②雇用者給与等支給額が、前年度の雇用者給与等支給額以上であること

③平均給与等支給額(*3)が、前事業年度の平均給与等支給額を超えていること

(*1)平成25年4月1日以降開始する各事業年度のうち、最も古い事業年度開始の日の選是日を含む事業年度(3月決算であれば、平成25年3月期となる)の雇用者給与等支給額をいいます。

(*2)平成30年3月期に適用される割合です。(平成29年3月期は2%でした。)

(*3)雇用者1人当たりの月平均給与額のことであり、継続雇用者に対する給与等支給額を、継続雇用者の各月ごとの延べ人数で割った金額をいいます。

 

中小企業者等に該当する場合は、従前の制度と変更はありません。上記の要件を満たした場合、以下の算式で計算された税額控除の適用があります。

 

☆平均給与等支給額が、前事業年度比2%以上増加している場合
(雇用者給与等支給額-基準雇用者給与等支給額)×10%+(雇用者給与等支給額-前期雇用者給与等支給額)×12%

☆上記以外の場合
(雇用者給与等支給額-基準雇用者給与等支給額)×10%

控除限度額:いずれの場合も法人税額の20%

 

下線部分が、平成29年度税制改正での改正部分です。従前はこの部分がありませんでしたので、給与をたくさん支給した企業にはより手厚い税制の恩典が認められていることが分かりますね。

国税庁のホームページ(タックスアンサー)も是非ご確認ください。