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国際税務2018.04.18 ソフトバンク追徴課税〜国際的M&Aリスク〜

ソフトバンクグループが東京国税局の税務調査を受け、939億円の申告漏れを指摘されたとのことです。(2018年4月18日、日経新聞より)

 

ソフトバンクグループは2013年にスプリント(米携帯電話大手)、2014年にブライトスター(米携帯卸売大手)を買収したことは当時大きくニュースで取り上げられていました。

 

その買収先の子会社等の中にタックスヘイブン国、つまり税金が低い軽課税国の法人が含まれており、かつペーパーカンパニーと認定を受けて、タックスヘイブン対策税制により追徴課税を受けることとなったようです。

 

ペーパーカンパニー認定は、独立企業としての体をなしているか、グループ以外との取引は活発か、どこの国でも出来る事業を敢えて税金が安い国で営んでいないか等を総合的に勘案して判断されます。

 


今回のケースは、既に修正申告と追徴納税を済ませ、再発防止策を講じたとソフトバンクグループの広報室からコメントが出ていることを鑑みると、ペーパーカンパニー認定について国と争わないのではないかと思われます。

 

国際的M&Aが活発になる中で、買収時に十二分な税務デューデリジェンスを実施することが事実上困難である中で、タックスヘイブン対策税制の影響を財務経理部署が適時に(税務申告までに)必要な情報を把握するのは非常に困難なのだと思います。

 


今回のケースも買収先が抱えていた子会社等は数百社あったそうです。タックスヘイブン対策税制は毎年子会社の状況を把握しておく必要があるため、注意が必要です。

 

また2018年4月1日以降開始事業年度(外国関係会社事業年度ベース)より新しいタックスヘイブン対策税制がスタートしますが、トリガー税率廃止により税負担20%以上の国も加算対象となるため、国際的M&Aを実施するときは今まで以上に注意が必要ですね。