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国際税務2020.09.02 Uber Eatsは運送業?納税義務は?

日本でも急速に広がっているUber Eats。私も便利さから何度か利用しています。
現時点(2020年8月時点)ではUber Eatsによる配達員が受け取る報酬は配達員自身の事業所得又は雑所得として所得税の確定申告を行う必要があります。
年間の収入が1,000万円を超えると消費税の納税義務も発生します。
配達員の方はUberから振り込まれる報酬=手取りではなく、確定申告により税金(所得税)を納める義務があることを理解してください。

 

今回はスペインでUberのサービスが運送業か仲介業かで争われた事例を紹介します。

 

1.裁判の概要


 

〈概要〉
スペインのプロ運転手協会がUber社を運送業者に該当するとして訴訟を起こした

 

〈運転手協会の主張〉
Uberのサービスがなければ非プロの運転手は業務ができないので、運転手はUber社の社員であり、Uber自体が運送業者となる。

 

〈Uberの主張〉
Uberのサービスは非プロの運転手と顧客の取引を仲介するにすぎない。運送業者となるのは各個人運転手である。

 

〈裁判所の判断〉
Uberのサービスがなければ運転手は仕事ができないことから、Uberが運送業者となる(運転手協会の勝訴)

①Uberのサービスがドライバーとサービスの利用者双方に欠くことのできないものであること

②Uberはドライバーのサービス内容に決定的な影響力を有しているということ

 

この2点から裁判所はUberの主たる業務は運送業と判断しました。

 

Uber側は当該判決について、あくまでスペインにおける取り扱いにすぎず他の国に影響を及ぼすものではなく、他の国でどのような決定がなされるべきかは国によって異なるとしています。

 

 

2.日本での影響


 

現在日本ではUberから個人へ支払われる報酬は個人の事業所得という取り扱われており、Uberは仲介手数料について日本で法人税・消費税の納税義務を負っています。

 

今後スペインの事例と同じように、Uber自体が配送業者であり、配達員は従業員と判断されると配達員へ支払われる報酬は給与となりUberとしては課税仕入が減少することから消費税の納税額が増加します。

 

また、配達員側の目線では多くの方が副業として行っていることから給与は乙欄ということとなり、源泉徴収される所得税は大きくなります。
確定申告の所得区分は給与所得となり、本業の給与と合算して確定申告することで適正な所得税に是正されますが一時的に手取りが減る可能性が生じます。

なお金額によりますが、基本的に配達に係る備品等についても経費として控除できないことが予測されます。

 

いかがでしょうか。日本で同じような議論が起こるかどうかはわかりませんが、Uberの収入が本業となるような方が増加していくと国側が対応していくことも考えられます。

今後の動向を見守りたいと思います。

 

あすか税理士法人

【国際税務担当】街 有帆

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