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国際税務2021.02.05 こんな場合は確定申告が必要!海外資産の確定申告をざくっと紹介

例年1月、2月は海外に財産をお持ちの方からの問い合わせが増加します。

国外に資産があるけどどうすれば、、
海外の銀行で利息・配当をもらった、、
海外の生命保険を解約した、、
海外の不動産や株を売却した、、
結婚して海外に住んでいたけど日本に戻ってきた、、etc..

 

何からすれば、どうやって申告すれば、そもそも確定申告は必要なのか、わからないことばかりだと思います。
今回は確定申告の必要が生じるパターンをざっくり資産別にまとめてみました。

 

1.海外に銀行口座がある方


 

預金利息が発生している場合、確定申告が必要です。

預金利息は発生した都度為替換算をすることが原則ですが、実務的には年間の受取総額と年間の平均レートを用いて計算するケースもあります。

 

外貨を円に戻した外貨で資産を購入したなどの行為をされた方についても確定申告が必要です(為替差損益)。
この計算にはその外貨の取得費(その外貨をいつ取得(購入)したか)の把握が必要です。
数年、数十年前から口座をお持ちの方は非常に計算が煩雑になるので、専門家に依頼することをお勧めします。

 

 

2.国外に証券口座をお持ちの方


 

投資されている株式や投資信託から配当が生じた場合確定申告が必要です。

配当金の受取の際に海外の税金が源泉徴収されている場合は日本で外国税額控除の適用を受け、二重課税の調整をします。

 

株式や投資信託を売却し、売却益が生じている場合についても確定申告が必要です。

この売却益は外貨ベースではなく、円換算後の金額です。外貨建では損失だが為替を考慮すると益が出ているというケースもよくあります。
税率は日本の株式を売却した場合と同様、20.315%です。

 

なお、配当収入と株式の譲渡損を相殺する特例が日本にはありますが、国外の証券会社で保有している株式や投資信託についてはこの特例を受ける事ができません。

売却損と売却益が生じている場合は国外の株式か日本の株式かに関係無く、上場株式同士、非上場株式同士で相殺可能(損益通算可能)です。

 

3.海外の生命保険を解約した


 

受け取った金額から支払った金額引いた残額がプラスの場合確定申告が必要です。
海外の保険は利回りがいいので多くの方がプラスになると思います。

もしご自身で保険料の支払いをしていない場合は受け取った金額が贈与税の対象(所得税より税率が高い)となるので、解約するときは課税関係を確認してから行って下さい。

 

海外の保険を名義変更した場合も注意が必要です。
海外の保険は被保険者を変更できるケースもあるため、名義変更時に確定申告が必要となる場合もあるので注意が必要です。

 

 

4.国外の不動産を貸している


 

例えば、不動産投資として海外のアパートを購入し、貸し付けることで賃貸料収入が発生している場合確定申告が必要です。
水光熱費、管理費、減価償却費などの維持管理費用は経費として収入から控除が可能です。不動産収支が赤字の場合は他の所得と損益通算(相殺)が可能です。

日本でいう固定資産税だけでなく海外特有の税金が課税されているケースもあります。これらは経費にはなりますが、ほとんどの税金は外国税額控除の対象とならないので気をつけてください。
※なお、2021年分から中古物件について短い耐用年数で減価償却費を計上することに規制がはいりました。2021年分の確定申告は注意をしてください。

 

5.海外の不動産を売却した


 

売却益が生じている場合確定申告が必要です。
5年超保有していれば税率は20.315%で完結するので、所得が大きい人には有利です。
移住や帰国などで居住用財産を売却した場合は3,000万円控除を受けられる可能性があります。

 

6.これから海外資産を購入する方


 

これから海外投資をされる方がまず行うべきは、国外財産の円ベースの取得費の把握です。
上記で紹介してきました所得計算はすべて円ベースです。
利益を計算する際に資料を処分してしまって、いつ、いくらで取得(購入)したのかわからないケースがよくあります。
資料はできる限り残していくようにしてください。

 

7.その他


 

低税率国に所在する会社の株式を保有している場合はタックスヘイブン対策税制の対象となり、その会社の利益を個人の所得として確定申告しなければならない可能性があります。

※タックスヘイブン対策税制について詳しく知りたい方はこちら

 

海外の財産の”時価”が5千万円を超えている場合国外財産調書という書類を税務署へ提出しなければなりません

提出せず、国外財産から生じる所得の申告漏れがあると罰金の税率が5%上乗せされます。
”時価”はその年の12月末で円に戻したらいくらかということです(含み損益を考慮する)。

過去に支払った総額ではないことがポイントです。

 

 

以上、よく問い合わせを頂くケースをご紹介しました。
CRSにより海外財産の状況は税務当局もかなり把握するようになっています。
具体的な計算は煩雑になることが多いので、専門家をうまく利用し、申告漏れを防いでください。

 

あすか税理士法人

【国際税務担当】街 有帆

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