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国際税務2021.03.03 【タックスヘイブン】別表17(3)は不要!? ~別表17(3の7) 付表 など~

税率が低い国に海外子会社等があると注意を要するタックスヘイブン対策税制

『別表17(3)を使って申告するよね』って思われた経理部署の方、利用する別表が変わったのはご存じでしょうか?

正確にはタックスヘイブン対策税制そのものの改正により、利用する別表も変わっています。

 

3月決算法人であれば、2020年3月決算から改正後の別表利用がスタートしていますが、別表17(3の7)と聞いてピンッと来なかった場合は、是非このBlogを御確認下さい。

 

なお、そもそもタックスヘイブン対策税制の対象となる内国法人なのか?と言う点から疑問があるかたは、下記Blog「タックスヘイブン対策税制① ~納税義務者と加算対象となる外国関係法人~」もご参照下さいませ。

 

タックスヘイブン対策税制① ~納税義務者と加算対象となる外国関係法人~

 

1.適用時期


 

きっとこのBlogを見ておられる方はタックスヘイブンについて調べている中でたどり着いたはずで、そんな方はまず適用時期が気になるはず。

と言うことで、最初に適用時期(つまり新たな別表を利用するタイミング)について記載します。

外国関係会社の平成30年(2018年)4月1日以後開始事業年度

から、新しい別表を利用します。

タックスヘイブン対策税制は、「外国子会社の事業年度終了日の翌日以後2ヶ月経過する日」を含む内国法人の事業年度で影響を及ぼしますので、仮に内国法人・外国法人共に3月決算であれば、令和2年3月決算から新しい別表に変わったことになります。つまり2021年3月決算が新しい別表利用の2回目です。

タイミングを図示すると、こんな感じですね。

内国法人・外国法人共に12月決算であれば、2020年12月決算が新別表初利用となります。

 

適用時期を見たところで、いよいよ本題の「どの別表を使って申告するのか?」に入ります。
結論ですが別表17(3)ではありません。

実際の申告内容と照らし合わせながら御確認下さいませ。
 
 

2.別表17(3の7)、付表1、付表2


 

従来の「別表17(3)及びその付表1」の代わりになるのが、別表17(3の7)及びその付表1と2になるイメージです。

別表17(3)とは明らかに様式が変わっていますよね。

これは「税負担割合20%未満の外国関係会社」と「税負担割合30%未満のペーパーカンパニー等(特定外国関係会社)」について記載します。

「15」欄で〇を付けた財務諸表等を申告書に添付して税務申告する必要があります。

「18」欄は実際に合算する課税所得ですが、これはこれから説明する別表17(3の8)等から転記されます。

 

別表17(3の7)付表1が「株式保有割合」に関する明細書で、別表17(3の7)付表2が「ペーパーカンパニー判定、キャッシュボックス判定、実体基準等の判定、租税負担割合計算」をする明細書となります。

別表17(3の7)付表2のうち、「3」~「7」欄が全て『該当』となると、いわゆるペーパーカンパニーとなり、税負担割合が30%未満であれば会社ごと合算課税対象となります。

「16」と「17」欄について、業種により使う欄が決まる点は従来通りです。
 
 

3.別表17(3の8)


 

別表17(3の7)で、特定外国関係会社(※1)や対象外国関係会社(※2)に該当する場合に、実際に親会社で合算する課税対象金額を計算する明細書です。

(※1)特定外国関係会社

ペーパーカンパニーやキャッシュボックスに該当することにより、会社ごと合算課税対象となる会社

(※2)対象外国関係会社

非関連者基準や所在地国基準を満たさない等により、会社ごと合算課税対象となる会社

「28」欄の上段カッコ内数値(下段は外国通貨表示)が、別表17(3の7)「18」欄に転記され、別表4で加算することになります。

つまり、タックスヘイブン対策税制で、日本親法人側で実際に加算される金額ですね。
 
 

4.別表17(3の9)


 

別表17(3の7)付表2にて、部分対象外国関係会社(※3)について、加算すべき受動的所得を計算する明細書となります。付表もあるのでお忘れ無く。

(※3)部分対象外国関係会社

→ 特定外国関係会社・対象外国関係会社のいずれにも該当しない、租税負担割合20%未満の外国関係会社

受動的所得については、対象所得の収入金額合算で2,000万円以下であれば課税対象から除外されるため、そのライン上にある外国関係会社については毎期注意を要します。また合算対象となる受動的所得には様々な除外項目も設けられているのも特徴です。
 
 

5.別表17(3の11)


 

別表17(3の8)や別表17(3の9)で合算対象となった外国関係会社が、当該外国で支払った法人税等について、外国税額控除を受ける際に作成する別表です。従来の別表17(3の3)ですね。

 

「37」欄の上段カッコ内数値(下段は外国通貨表示)が、別表6(2の2)「6」欄に転記され、別表4「30」で加算の上、外国税額控除することになります。

 

タックスヘイブン関連の別表は非常にややこしくなりました。

国税庁HPでは従来の別表17(3)等も提供されているので誤った別表を利用してしまい易い状態です。

正しい別表を利用することで、申告加算漏れを防ぎ、合算対象となる外国関係会社に関する対策を検討するようにして下さい。

 

 

あすか税理士法人

【国際税務担当】高田和俊

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