メールマガジン登録

BLOGブログ

国内税務2018.12.27 税制改正大綱【所得税】

先日税制改正大綱が閣議決定されました。今回はその中で所得税に関するものをご紹介いたします。

 

1.住宅ローン控除の特例

消費税率が10%の住宅を取得して平成31年10月1日から平成32年12月31日までに居住した場合、11年目から13年目までの控除額が、次のとおりとされます。

 

次のうちいずれか少ない金額

(イ)住宅借入金等の年末残高(4,000万円を限度)×1%

(ロ)〔住宅の取得等の対価の額又は費用の額-当該住宅の取得等の対価の額

又は費用の額に含まれる消費税額等〕(4,000万円を限度)×2%÷3

(認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅の場合は限度額が5,000万円となります)

 

消費税増税分が11年目から13年目にかけて3年間で控除されることになりますが、住宅ローン残高が少ない場合は増税分すべて控除されないことになります。

 

 

2.空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例

老人ホーム等に入所をしたことにより被相続人の居住の用に供されなくなった家屋及び敷地は、次に掲げる要件その他一定の要件を満たす場合に限り、相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていたものとしてこの特例が適用され、適用期限が4年延長されます。

 

① 被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続開始の直前まで老人ホーム等に入所をしていたこと。

② 被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続の開始の直前まで、その家屋について、その者による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又はその者以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。

(平成31年4月1日以後の譲渡分から適用)

 

被相続人が老人ホームに入所していても一定の要件を満たしていればこの特例が使えることになりますが、被相続人が老人ホーム入所中にその家をどのように使用していればいいのかまだ明確になっていません。

 

 

3.NISA

① NISAを開設している居住者等が一時的な出国により居住者等に該当しないこととなる場合は以下のように取り扱われます。

 

(イ)出国日の前日までに金融商品取引業者等へ「継続適用届出書」を提出した場合、5年経過する年の12月31日までは、非課税措置が引き続き適用されます。ただし、帰国するまでは、NISAに上場株式等を受け入れることができません。

(ロ)5年経過する年の12月31日までに帰国しない場合は非課税措置が廃止されます。

(ハ)国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の対象となる者は、「継続適用届出書」が提できません。

 

海外転勤などやむを得ない事由で出国する場合は継続適用届出書を提出すれば引き続き非課税措置を受けることができます。5年経過時にいつどのような形で課税口座に移管されるのかは明確になっていません。

 

② 非課税口座を開設することができる年齢要件が20歳以上から18歳以上に引き下げられます。それに伴ってジュニアNISAの年齢要件も20歳未満から18歳未満に引き下げられます。

 

 

4.ストックオプション税制

中小企業等経営強化法の改正を前提に、特定の取締役等が受けるストックオプション税制について、以下のように取り扱われます。

① 適用対象者の範囲に、中小企業等経営強化法に規定する認定新規中小企業者等(仮称)が新事業分野開拓計画(仮称)に従って活用する一定の取締役及び使用人等以外の者が加えられます。

② ①の者がこの特例の適用を受けて取得した株式を相続等により取得した個人は、特例を受けることができません。

③ ①の者がこの特例の適用を受けて取得した株式を譲渡するまでに国外転出する場合には、その株式に係る新株予約権の行使日における価額によりその株式を譲渡したものとして所得税が課されます。

 

ストックオプション税制の対象者が拡大されますが、中小企業等経営強化法においてどのように規定されるか明確になっていません。手続きの煩雑さや認可のハードルによってはあまり活用されないかもしれません。

 

 

5.ふるさと納税

① 総務大臣は、次の基準に適合する都道府県等をふるさと納税(特例控除)の対象として指定することとする。

イ 寄附金の募集を適正に実施する都道府県等

ロ イの都道府県等で返礼品を送付する場合には、次のいずれも満たす都道府県等

(イ)返礼品の返礼割合を3割以下とすること

(ロ)返礼品を地場産品とすること

② ①の基準は総務大臣が定めることとする。

③ 指定は、都道府県等の申出により行うこととする。

④ 総務大臣は、指定をした都道府県等が基準に適合しなくなったと認める場合等には、指定を取り消すことができることとする。

⑤ 総務大臣は指定をし、又は指定を取り消したときは、直ちにその旨を告示しなければならないこととする。

⑥ 基準の制定や改廃、指定や指定の取消しについては、地方財政審議会の意見を聴かなければならないこととする。

⑦ その他所要の措置を講ずる。

(平成31年6月1日以後に支出された寄附金について適用)

ふるさと納税制度にメスが入ることになります。過去何度も返戻割合が高い市町村に指導がされていましたがなかなかうまくいっていなかったようで、ついに国からの指定制となるようです。

 

 

あすか税理士法人

大井 幸助